南部鉄器 つむぐ技 もりおか文化館23日まで特別展

職人の息遣いを伝える写真やコメントも添え、伝統の技を伝える新作南部鉄器展
 盛岡市内丸のもりおか歴史文化館(畑中美耶子館長)の特別展「新作南部鉄器展 鉄をつむぐ」は23日まで同館で開かれている。鉄瓶や湯釜などの作品のほか、工房で撮影した職人の写真や自筆コメントも並び、岩手に根付いた伝統の技を今に伝える人々の思いが感じられる。

 市内や近郊の9工房から、10~70代の職人20人が協力。作品46点のほか制作図面、道具なども展示している。

 国が認定する伝統工芸士の田山和康さんは擬宝珠(ぎぼし)を模した「宝珠形鉄瓶」を出展。シンプルながら均整の取れたたたずまいが目を引く。十五代鈴木盛久(熊谷志衣子)さんの「手毬(てまり)釜」は、まりを飾る糸目を繊細に表現した。

 キャンプ道具を想定して軽く、鉉(つる)を取り外しできるように作った高橋大益(だいえき)さんの「鉉脱着式 鉄薬缶(やかん)」や、IHヒーターに対応した三代目清茂(八重樫亮)さんの鉄瓶「iwachu-ケトル」など、現代の暮らしに合わせた鉄器も。工房で鉄と向き合う職人の姿を捉えた写真や使い込まれた道具類からは、伝統を受け継ぐ覚悟と誇りが浮かび上がる。

 盛岡市清水町の工藤和子さん(78)は「細かい手仕事に感心しながら見た。自分で考えた形を作り出すのは大変だろう」と見入っていた。

 展示を担当する小西治子学芸員は「江戸時代から受け継がれる伝統の技は一本の糸のよう。そこに時代ごとの職人の思いが織り込まれて作品が生まれるさまを『つむぐ』という言葉に込めた」と語る。

 午前9時~午後6時。無料。17日休館。問い合わせは同館(019・681・2100)へ。

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