まとめ:ダリア育種家・鷲澤幸治さんとは

鷲澤さんが開発に携わった「NAMAHAGE(ナマハゲ)ダリア」
 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特集された秋田市のダリア育種家、鷲澤幸治さん(72)に関する記事をまとめました。
ダリアの大輪を秋田から世界へ
ダリア育種の第一人者として国内外から高く評価されている鷲澤さん=秋田市雄和の秋田国際ダリア園
■2019/02/02掲載
 「掛け合わせによって限りなく、いろんな花ができるのが面白い。追究していくと、もうきりがなくて」

 ダリアの育種に情熱を燃やし、美しく日持ちに優れた品種など千種類以上を生み出した。国内市場に流通する品種の大半を占める。人気品種の開発や栽培指導により、県産ダリアの販売額は2016年度に1億円を突破。全国区に押し上げた。

 「花は心を豊かにする」が持論。幼いころから山野草を探し歩いたり、木箱でスイセンを育てたりと常に花が身近にあった。県外の商船会社に勤めていた19歳のころ、寄港したカナダ・バンクーバーの高級住宅街に咲いていたダリアの美しさに心を奪われた。

 秋田市の企業に転職後は自宅庭でダリア栽培に夢中になった。「多くの人に魅力を広めたい」と40歳で一念発起。旧雄和町から土地を借り、退職金を投じて1987年に雄和国際ダリア園(現秋田国際ダリア園)を開園した。

 当時、ダリアは種苗会社のカタログに載らないほど不人気だった。ここから本格的に育種に取り組んだ。受粉を媒介する虫の生態を観察し、花の配置を工夫すれば効率的に自然交配できることが分かった。年間数百種の新品種候補を生み出し、その中からよりすぐって生産者や種苗会社に提供してきた。

 95年ごろ、深いワインレッドの大輪「黒蝶」を開発。見た目の美しさ、日持ちの良さから首都圏を中心に人気となり、ダリアブームに火を付けた。2004年には、上品な淡い紫色の「虹」がフランスのダリアコンテストの外国部門で日本人初の最高賞を受賞した。

 県と共同開発した「NAMAHAGE(ナマハゲ)」シリーズは引き合いが強く、本県をダリアの生産拠点に成長させた功績は大きい。

 「技術だけでなく、消費者のニーズに合致するかどうか見極められるセンスが重要」と自負する。息子2人と共に汗を流し「みんながダリアを通じて幸せを感じてくれたら最高だね」と頬を緩めた。

 秋田魁新報社が創刊145年を記念して贈る創刊記念章に選ばれたときの、鷲澤さんのコメントです。

 【わしざわ・こうじ】1947年、仙北市角館町生まれ。角館高卒。商船会社勤務を経て、87年に雄和(現秋田)国際ダリア園オープン。2004年仏ナショナルダリアショー・外国部門ファーストグランプリ受賞。06年から日本ダリア会理事長。09年県文化功労者、12年農林水産省研究開発功績者表彰で最高賞の農林水産大臣賞。13年ジャパンフラワーセレクション切り花部門でNAMAHAGEマジックで最高賞。秋田市住。
52歳の鷲澤さん、ダリアの魅力を語る
■1999/8/20掲載
 <この人と立ち話>というコーナーに登場したときの記事です。

 昭和62年、雄和町妙法字糠塚にダリア園をオープン。1・2ヘクタールの園内で650種、7千本のダリアを栽培している。

 今月13日から11月上旬まで開園。既に色とりどりのダリアが咲き始めており、来月に見ごろを迎える。

 「小学生のころからダリアには魅力を感じていた。仏壇に添えられたダリアも美しく見えた。そのころは周りの畑にもダリアが植えられていて人気の高い花だった」と振り返る。

 高校卒業後、商船会社に入社し技師の仕事に就いた。しかし長年、ダリアの魅力が頭から離れず、30代後半で技師を辞め、ダリア園をつくりたい一心で同町に土地を借りた。やせた土地だったため、ダリアが育つような土壌に変えることに努め、12年前にオープンにこぎつけた。「日本ではダリアを栽培する人が少なくなったため、ダリアを復興させたかった。ダリアに関する本を読みあさり試行錯誤で栽培法を学んだ」と言う。

 次々にダリアの交配を重ね、これまでに200の新品種の栽培に成功。評判は口コミで広がり、昨年は3万人が来園した。球根の注文も舞い込み、全国約2千人に2万個のダリアを発送している。

 「ダリアの魅力は多彩な色と花びら。いずれはダリア園を公園のようにして、気軽に立ち寄れる場所にしたい」
名称は「NAMAHAGE」で統一
東京都中央卸売市場に展示された県産ダリア「NAMAHAGE」シリーズ
■2012/09/04掲載
 秋田県内の花卉(かき)生産者や県などでつくる秋田ダリア産地育成推進会議は、五つの県産ダリアの新品種を「NAMAHAGE(ナマハゲ)」のネーミングで統一したシリーズを商品化した。東京都中央卸売市場で昨年行った県産ダリアの人気投票などを基に色鮮やかな5品種を選抜、消費者にインパクトのある名称で売り出した。秋のブライダル需要を前に売り込みを図る考えで、3日には同市場の花卉市場でPRイベントを行った。

 シリーズは紫系3品種、白っぽいピンクとオレンジ各1品種の計5品種から成り、商品名は「NAMAHAGEマジック」、「NAMAHAGEサンセット」など。先月24日に県内農家から初出荷されており、ピークの9、10月を中心にブライダル需要などで年間計5万本の出荷が見込まれている。

 新品種を開発したのは秋田国際ダリア園(秋田市雄和)の鷲澤幸治園長(65)。昨年10月には鷲澤園長が開発した30品種の中から人気品種を選ぶ投票が同市場で行われており、この上位5品種と、投票までに開花が間に合わなかった9品種の計14品種の中から5品種を絞り込んだ。
鷲澤さん開発の品種が好評 県産ダリア、初の1億円超
■2017/05/18掲載
 2016年度の県産ダリアの販売額が初めて1億円を突破した。秋田県のオリジナル品種「NAMAHAGE(ナマハゲ)ダリア」が好評なこともあり、生産農家が増えているためだ。県は17年度目標に販売額1億円を掲げていたが、前倒しで達成した。生産農家からは「県外での知名度も上がり、引き合いも増えた。さらに生産量を伸ばしたい」との声も上がる。

 16年度の販売額は、花卉(かき)全体の約5%となる1億174万円。県園芸振興課によると、生産農家は15年ほど前に数戸だけだったが、現在は100戸まで増えた。NAMAHAGEダリアの市場人気は高まっており、需要に供給が追い付いていない状況という。

 12年度には国内屈指の育種家として知られる鷲澤幸治さん(70)=秋田市=が開発した品種を「NAMAHAGE」ブランドとして商品化。毎年新たに開発した品種の中から、東京の市場関係者の投票により数種類を選抜して翌年出荷する態勢も整えた。市場ニーズに迅速に対応しながら、県産ダリアの存在感向上につなげている。
「NAMAHAGEチーク」切り花部門、最高賞
■2016/12/20掲載
 国内外の優れた花の新品種を選ぶ「ジャパンフラワーセレクション2016―2017」の切り花部門で、県オリジナル品種のダリア「NAMAHAGE(ナマハゲ)チーク」が最高賞「フラワー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。本県の最高賞の受賞は、2013年の「NAMAHAGEマジック」に続き2度目。県内ではダリアの産地化が急速に進んでおり、さらなる生産拡大の弾みとなりそうだ。

 NAMAHAGEチークは、端正な花型と従来にはない淡い桃色のグラデーションが特徴。頬紅を薄く入れた色白の肌を思わせるとして「エレガントな雰囲気は秀逸」と評された。婚礼や贈答向けにとどまらず、葬儀など多用途の展開が期待できる点も高評価に結び付いた。

 ジャパンフラワーセレクションは、一般財団法人日本花普及センター(東京)が事務局を務める実行協議会が06年から開催。切り花、鉢物、ガーデニングの3部門があり、今年の切り花部門には全国からバラやトルコギキョウなどの品種44点が出品された。
ダリアを打ち掛けに アンテプリマ荻野さんデザイン
■2018/08/31掲載
 イタリアのミラノを中心に活動する日本人デザイナー荻野いづみさん(63)がデザインし、県オリジナル品種のダリア「NAMAHAGE(ナマハゲ)ダリア」のイラストをあしらった打ち掛けが、国内のブライダルサロンで貸し出されている。30日には荻野さんが秋田市を訪れ、関係者にお披露目した。

 荻野さんは、1993年にブランド「アンテプリマ」を立ち上げた。現在、ミラノコレクションに参加する唯一の日本人女性。洋服やバッグのほか、婚礼用のドレスや着物のデザインを手掛ける。

 秋田市産業企画課がナマハゲダリアの認知度向上を目指し、秋田銀行に相談したことをきっかけに、秋田銀が同行顧問と交友のある荻野さんに打ち掛けの制作を依頼し実現した。
「感謝」の花、贈ってみませんか?
■2019/01/09掲載
 秋田市産ダリアのPR動画の公開が8日、インターネット上で始まった。市が地元産ダリアの知名度向上を目的に制作した。県産ダリアの販売額が伸び、全国的に知名度が高まる中、県産ダリアの約3割に上る年間20万本以上を出荷し、雄和には秋田国際ダリア園もある産地として広くアピールしたい考えだ。

 動画は約2分半で、鮮やかに咲き誇るダリアの映像とともに、国際ダリア園の鷲澤康二園長やダリア農家らが魅力を語る構成。最後には、ダリアの花言葉が「感謝」であることを紹介し、感謝の気持ちを伝える手段としてダリアをプレゼントすることを提案しており、「ありがとうのダリア、あなたも届けてみませんか」との言葉で締めくくっている。
秋田市産ダリア、PR動画


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