古里の海でワイン熟成 宮古出身・盛岡のバー経営男性、自作70本

「青の洞窟」として知られる八戸穴の入り口付近で、海底にワインを運ぶ堀内繁喜さん(左から3人目)と仲間のダイバーら
 盛岡市菜園でジャズバー「BAR CAFE the S」を営む堀内繁喜(しげき)さん(52)は10日、有志らと協力し宮古市日立浜町の浄土ケ浜の海底でワインの熟成を始めた。「青の洞窟」として観光客の人気を集める海岸沿いの八戸穴近くで、同市産のヤマブドウを使った自作のワイン約70本を5年間寝かせる初の試み。東日本大震災で同市の自宅と店舗を失い内陸で再建したが、離れても続く仲間たちとのつながりで古里を盛り上げる構想を進める。

 同日朝からワインを沈める作業に取りかかり、浄土ケ浜マリンハウスのサッパ船でワインと貯蔵ケースを運搬した。堀内さんと友人のダイバー4人が、深さ約10メートルの海底に設置した貯蔵ケースにろうで密閉したワインボトルを入れた。

 特注のケースは同市向町の榊鉄工所が製作。堀内さんの高校の同級生、榊昭夫代表(52)が引き受けた。さびにくいステンレス製で160センチ四方、重さ約230キロの堅固な構造でボトルを守る。

 海底熟成は養殖いかだなどにつるす海中熟成よりも波による揺れが抑えられ、品質を安定させられる利点がある。

 協力した盛岡市中ノ橋通のワインバー、アッカトーネの松田宰(つかさ)オーナーソムリエは「海底の温度で熟成がゆっくりと進み、豊かな味わいになる」と仕上がりに期待する。

 今回熟成させるワイン「涼実紫(すずみむらさき)」は宮古市の新里地区で育てたヤマブドウを100%使い、堀内さんがプロデュースした。2013年から店で提供し、地元の素材の魅力を伝え続けてきた。

 堀内さんは「作業は予想以上に大変だったが、協力してくれた旧友たちに感謝したい。熟成したワインは宮古のイベントやパーティーで提供するなど、観光面での活用も考えたい」と思い描く。

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