待ちわびた銀世界、青森県内スキー場にぎわう

オープン初日、スノーボーダーやスキーヤーでにぎわうゲレンデ=19日午後、青森市のモヤヒルズ

 昨シーズン記録的な少雪に見舞われ客足が落ち込んだ青森県内のスキー場に、にぎわいが戻ってきた。ここ数日のまとまった降雪で、19日には青森市のモヤヒルズ、野辺地町のまかど温泉など県内の多くのスキー場がオープンし、待ちわびたスキー客が銀世界に繰り出した。スキー場関係者は「昨年の分まで挽回したい」と張り切っている。一方、新型コロナウイルスの影響により帰省客の減少が予想され、昨年とは違う減収不安がつきまとう。

 モヤヒルズでは、カラフルなウエアに身を包んだスキーヤーやスノーボーダーが思い思いのシュプールを描いた。

 友人と訪れた青森市の公務員金澤秀さん(20)は「去年は2回しか滑れなかったので、10回は滑りたい」と息を弾ませた。

 ここ数日の降雪で50~60センチ積もり、圧雪で30センチとなり開場にこぎ着けた。「雪に関しては今年は期待できそう」。モヤヒルズの担当者は胸をなで下ろした。

 昨年はオープンが年明けまでずれ込み、来場者はほぼ半減。「昨年の分まで」との思いは大きく、施設内の検温設備や消毒液の設置など、コロナ対策に万全を期した。飛沫(ひまつ)防止のため、マスクや首回りの防寒着などで口元を覆うよう呼び掛けている。

 一方、青森スプリング・スキーリゾート(鯵ケ沢町)の藤森正人ゴルフ・スキー営業シニアマネジャー(51)は全国的な新型コロナの影響を懸念する。「スキー場にとって年末年始は書き入れ時。帰省客減は(スキー道具の)レンタル収入にも響く」と警戒する。大鰐温泉スキー場の渡邊時則支配人は「今年は海外や県外からの客は期待できない」とした上で、「地元や近隣住民に安心して利用してもらえるよう運営したい」と語った。

 県内の主なスキー場12のうち、19日までにオープンしたのは6カ所。大鰐温泉やむつ市の釜臥山スキー場は19日にオープン予定だったが、雪不足でまだ滑走できないと判断した。

 仙台管区気象台が17日に発表した1月中旬までの天候見通しによると、期間中の気温は平年と比べかなり低く、東北日本海側の降雪量はかなり増える可能性があるという。

飛沫防止用のビニールシートで席を区切るなど感染予防は万全=19日午前、大鰐町の大鰐温泉スキー場


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