ニホンザリガニ、新たに生息地整備へ 「南限地」大館市に

 秋田県大館市中心部には絶滅危惧種のニホンザリガニが生息する「南限地」として、国の天然記念物の指定を受ける水路があるが、生息を確認できない状況が続いている。周辺の宅地化で、指定地外の近くの水路にすみかを移したのが原因とみられる。市は南限地を守るため、近く新たな生息地の整備に着手し、将来的には天然記念物の追加指定を目指す。不測の事態に備え、市内で捕獲したニホンザリガニを男鹿水族館GAO(男鹿市)でも飼育し、きょう26日から展示を始める。

 ニホンザリガニは黒褐色で体長約5センチ。アメリカザリガニと比べ小ぶりで丸みがある。石がある湧水地などで落ち葉を食べて生息。環境省レッドデータブックの絶滅危惧2類に登録されている。

 大館市によると1934年、中心部の桜町南から池内道下を流れる水路が天然記念物に指定された。当時、周辺は田んぼが広がっていたが、次第に宅地建設が進み、水路のU字溝設置などでニホンザリガニの生息環境が悪化。75年度には生息が確認され、その後も90年ごろまで目撃情報はあったが、89年度、2002~03年度、12年度に行った調査では、いずれも生息を確認できなかった。

 14~16年度に国の補助金を受けて実施した調査でも、天然記念物の指定地には一匹もいなかったが、周辺の水路に少なくとも90匹以上(16年度時点)の生息が確認された。

 文化庁は「生息できる環境がなくなってはいない。大館市から絶滅の申告がなければ天然記念物の指定は解除しない」としている。

 ただ、市は現状に危機感を抱き、指定地外にある近くの民有地2カ所を借り受け、新たに生息地を整備することにした。うち1カ所は来月に着工予定。既に民有地内の庭にある水路を拡幅、延長するほか、水路に石を置いて周辺に植物を植えるなどして、生息に適した環境を整える。水路には天然記念物指定地に流れる水と同じ水系の水を引く。数年後には人工生息地に30匹ほどを生息させる計画だ。もう1カ所は2年後をめどに工事に着手する。

 市は現在、保全や増殖を目的に大館郷土博物館で16匹を飼育しているが、男鹿水族館でも飼育する。大館郷土博物館の学芸員鳥潟幸男さん(46)は「ニホンザリガニは少し環境が変われば、すめなくなる。何とか守っていきたい」と話している。

 環境省と同博物館は、ニホンザリガニの生息が確認されている地域は、夏でも水温20度以下を保つ北海道と北東北のみとしている。

大館市

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