「鳥海山・飛島」の世界ジオパーク推薦 「予想以上に高く評価」と研究員

鳥海山の麓に広がるにかほ市象潟町の九十九島。鳥海山の山体崩壊や噴火、地震によってつくり出された(鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会提供)
 秋田県由利本荘市、にかほ市、山形県遊佐町、酒田市の3市1町で構成する鳥海山・飛島ジオパークが、世界ジオパーク認定に向けた国内推薦を受けた。東北では初めてとなる大きな一歩に、関係者からは喜びの声が上がった。

 5日午後4時5分ごろ、にかほ市の観光拠点センター・にかほっと内にある同ジオパーク推進協議会事務所で山本正樹事務局長が日本ジオパーク委員会からの電話を取った。

 担当者から明るい声で「(鳥海山・飛島ジオパークを)推薦させていただきます」と伝えられたという。様子を見守っていた事務局のメンバーは歓声を上げたり拍手をしたりして喜んだ。その後は4自治体や推進協のアドバイザーら関係者への電話連絡に追われた。

 鳥海山の恵みが育んできた歴史的、文化的な特色を地域振興に生かそうと、にかほ市を中心とした4自治体は、鳥海山・飛島の日本ジオパーク認定に向けて連携して取り組みを進めてきた。

 2014年の準備組織発足を経て、15年に研究員や4自治体の職員による「鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会」を立ち上げて準備を進め、16年の認定にこぎ着けた。県境を越えたエリアでの認定は県内唯一となっている。

 関係者たちは、取り組みの当初から世界ジオパークの認定を視野に入れていた。日本での認定を受けてからも象潟の景観保全と研究を官学民一体で進めてきたほか、24年に米国出身の国際交流員を採用するなど海外向けの情報発信を強化してきた。

 今後は国連教育科学文化機関(ユネスコ)に申請書を提出後、2人の外国人審査員による現地審査などを経て、早ければ28年春に世界ジオパークに認定されるかどうかが決まる。

 世界ジオパークの認定に向けてはクリアすべき課題もある。国内推薦を出した日本ジオパーク委員会の資料には「世界のジオパークとの積極的な交流、海外からの来訪者の受け入れなど、持続可能な運営基盤のさらなる充実が期待される」との記述があった。

 推進協の大野希一主任研究員によると、詳細な評価内容は後で通知されるとした上で、他地域の世界ジオパークについてホームページや域内の施設などで紹介したり、地元の高校生ら若い世代が国際交流できる機会を創出したりするなど、具体的なアクションや実績が一層求められるという。

 大野さんは「直近の事例を見ても1度目の国内審査で推薦を得られたというのは珍しく、予想以上に高く評価してくれたと受け止めている。これに慢心せず、期待に応えられる活動をしていかないといけない」と次のステップに向けて気を引き締めた。

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